日記(2023-02-10)

■ 恥の話だ。夏頃から2月頭まで、大学の卒業公演(といっても慢性的な人手不足により下級生は毎年タダで駆り出されている)をおこなっている。ミュージカル公演で、今年は著名な楽曲を集めたショーのようなものを上演する(この時点でわたしはぜんぜん気に入っていなくて、信念のない舞台をやるな!!とキレていたが本題にはかかわりない)。

板の上に20名ほどがずらりと並ぶ。みなシンプルな衣裳で、舞台のツラにはマイクスタンドを3本立っている。そこで歌う人の右側に、終始笑顔で「手話を取り入れた振り」をおこなう人が現れる。他の楽曲では同じようにパフォーマンスしている役者だ。かれらはこの曲のときだけ、「手話の人」になる。2人ひと組で、ペアが入れ替わりながら進んでいく。わたしはあれが手話として適切なものかどうか判断できない。というか、もしかしたらわたしが勝手に手話だと思っているだけで、まったく関係ないフィンガーダンスなのかもしれない。

初めて見た稽古で、排除!と驚いた。

聞こえないならこの曲以外は見るなということだ。この曲だけ見せてやる、と言っている。そういう意味しかない。20曲近く歌うくせに、手話通訳?がついているのはこれだけ。この曲が終わると、全員がまた「普通の」ダンスに戻る。この曲で、この曲だけで。実に白々しい。舞台芸術による「感動」すら舐めているだろ。

ジャニーズにも手話付きの楽曲が複数あるが、それをぼんやり眺めるわたしは、寧ろインクルーシヴな時間を作っててえらい、くらいに思っていた。自分が制作に回って初めて排除があると気がついた。情けないことだ。ジャニーズのコンサートは基本的に字幕がついているのでまあ良いのかもしれないが、こっちはそれもない。最悪だ。

それどころかわたしはジャニーズのコンサートに対して「字幕が邪魔だから要らない」と思っていたこともある。最悪だ。最悪だと思っていて、自分たちの公演に改善の義務があると考えているのに、稽古初日からわかっていたのに、同期にも演出にも話していないうちに明日は本番。それも最悪だ。

すべての台詞と歌詞に字幕をつけるべきだし、また音声ガイドをつけるべきだ。それができないなら舞台をやるなと言われても仕方ないと思う。「理想としてはね……」などと言っている場合ではない。じっさいうちのめちゃくちゃ安い予算で実現できるはずがないが、それならばせめて集団として、みずからが排除をおこなっていること(「加担している」ではなく。主体として)に自覚的であり続けなければならない。自覚的であるから免罪されるというわけでもない。

中途半端に「手話みたいなもの」を取り入れるなら、いっそないほうがマシなんだろうか。あるいは中途半端なものでもやらないよりは良いのか。それもわからない、というか聴者であるわたし(たち)はそれをジャッジする立場にない

べつの授業で「聴覚芸術の特性」みたいな議題について喋るときにも、聴者のことしか想定していない、同期や教員の無自覚さを痛感してキツかった。でもわたしがキツがっている場合ではない。次からは少しでもマシな公演をする、それしかない。

 

 前述の公演のために、どうでもいい(汚れても良い・動きやすい・黒い)服が必要になって、数年ぶりにユニクロに行った。バイト先のモールにずっとあるけど立ち寄っていなかった。年単位で意識的に不買を続けるというのは、わたしにしては結構すごいことだった。スタバも立地で諦めたし、無印の化粧水も暫く買ってたし、資生堂系はできるだけチェックしてるけど抜けはあるし、ハンズやロフトにもたまに行くし、pixivも閲覧しているしTwitterも使っている(列挙するとヤダ〜〜〜〜……ヤダ〜〜〜になりながらどうにかやっている)。

ウルトラストレッチアクティブテーパードパンツ(ブラック)Mサイズ、2,990円。メンズの商品である。行かなさすぎてユニクロというショップの認識が「レディースのボアが薄い話をTwitterで見る店」になりつつあったが、じっさいレディースの似たようなパンツと比べるとポケットの深さが違っていて(適当に見たからぜんぜん違う商品だったらごめん)無の心でセルフレジに向かった。ユニクロに払う3,000円はデカい。同じ3,000円なら真上の書店で使いたかった。ジャンプSQ.と新テニスの王子様38巻は買ったけど……。

 

■ そして新テニの表現がやっぱりダメだな〜と肩を落とした。豪州で開催されている大会で、白人っぽいキャラクターが先住民族っぽい見た目のイメージ映像を伴うこと(という説明で良いのか?)、暴力的ですよ。絶対ダメだろ。でも集英社に意見を送るだけの気力がない、許斐剛は早く「外国人」の最悪表現から脱却して!もう新テニ(世界大会編)が始まって15年弱ですよ。これ今後どうやってミュージカル化するの?

てかやっぱ(とくにアフリカ系の選手が出てくるあたりからは)ミュージカルにすべきではないと思う。ミュージカル「新テニスの王子様」に、というか多くの2.5次元舞台にそんな技量はない。漫画とアニメに於ける表現と、生身の人間が演じるミュージカルのそれは違う。

例えば南ア代表はこのままいくとテニミュボーイズ(その公演に於いて出番が少ない複数のネームドキャラや、名前のないモブなどチョイ役を演じるキャスト)がやるのだろうか。米代表はメインキャストが演じざるを得まい。ドゥドゥ・オバンドゥー(褐色のキャラクター)は誰が担うんだろう。それを全うできる「ある程度実績と実力がある.5俳優」なんているか?

 

■ 例の男性従業員にチョコを贈るキモいバイト先のキモい服装規程の話をしすぎて、通話相手のフォロワーが即時に「あ〜」と言ってくれる。いつも聞いてくれてありがとう。

キモい服装規程はそもそも他人の容姿をコントロールしようとしている(それも企業と末端従業員という巨大な権力勾配に於いて)時点でめちゃくちゃキモいのだが、内容だってどこに出しても恥ずかしくないキモさだ。

  • 髪の色
    • 自然な髪色。
  • 化粧 
  •  爪・指
    • ネイルはシンプルなもののみ可。自然なベージュ系のみ可能。ストーンや柄のあるものは不可。
    • アクセサリーの着用は禁止(結婚指輪は可)。
  • ストッキング
    • 淡いベージュ系もしくは黒。
  • その他
    • ポケット:必要最低限の物だけ入れる

キショ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

爪は最近まで「一切禁止」だったものが「緩和」されてこれになった。「衛生的に〜」という言い訳を放棄してまで従業員の容姿をコントロールする意味とは?とキレながらネイルズインクのハッスルインハックニーを買った。アーモンドっぽい赤みのあるベージュブラウンで可愛かったけど、「ジェル風」の安いトップコートを塗ったらなんだかチープになったので、おすすめのトップコートを募集して結びとします。

ネイルズインクのポリッシュ「ハッスルインハックニー」を塗った手を顔に当てている写真。